とある深夜、木之本宅の一室。 そこには木之本家の長女、さくらがすやすやと眠っている。 その寝顔は穏やかで、室内は暗くしんと静まり返っている。 さて、この部屋の主であるさくらのお腹の中では、 消化過程を過ぎた塊が大腸の中にでんと鎮座していた。 さくらの艶々した大腸の中で適度に水分を奪われたその物体は、 ゆっくりとゆっくりとその経路の終点に行かんとしている。 朝が来た。さくらは黄色い小動物に叩き起こされ、着替え始めた。 一時的に露出したさくらの腹部。この中には前日食したものが脱出を待ち構えているのだ。 着替えたさくらが部屋を出て廊下を駆け抜け、食卓につく。 そして朝食を摂り始めた。 それによって、さくらの消化器は目を覚まし、活動を始める。 大腸も、例外ではない。 腸壁が盛んにうごめいて、夜間待ちつづけていた塊が動かされ始めた。 グリョグリョと、虫が這うように桃色の管の中を動いてゆく物体。 その物体が終点に迫ることにより、その間に溜まっていた気体は圧迫される。 やがてその気体は、一足先に対外へと漏れ出る。 「プッ」 「うわ、怪獣が毒ガスを撒きやがった!」 「さくら怪獣じゃないもん!今の毒ガスじゃないもん!」 雑談を交わしながら、さくらは排泄物の気配を確かに感知した。 朝食を終えたさくらはすぐに便所へと向かい、そして便座に腰をかけた。 表面がさくらの直腸壁をなぞりゆく。それを感じ取ったさくらはいよいよ便意を催す。 便座に坐ったさくらが、ンッと力む。 物体と出口との間にあった最後の気体が出た。それは無音で出された。 豊かな香りがさくらの鼻を貫く。さくらはひとりで恥じ入る。 「さっきのは臭いが出てなくてよかったよぉ〜」 そしてもう一度力む。物体の先頭がさくらの小さな蕾から顔を出した。 蕾はおもむろに広く口を開けだし、物体をゆっくりとせり出させる。 菊花の後ろがもこっと盛り上がって、排泄物の存在感を示している。 ニューッととめどなく出しつづけ、一息ついたところで穴を締めた。 ポチョーンと透明の池に落ち込んだ。立派な長い一本糞である。 その後も何本か出しては落とし、残便感が無くなったところでさくらは深く息をついた。 とぐろを巻いて沈んでいる。 さくらは腰を少し浮かせ、横にある巻物をカラカラと取って 手にとった紙を自らの丸っこいお尻に当てた。 そしてスリスリと蕾の辺りを擦り、池の中に捨てた。 黄色っぽい茶色の染みが池の中に沈んでゆく。 さくらはパンツをはき、スカートを戻して便器の横にあるレバーを引いた。 便器の池が鉄砲水を起こし、排泄物と紙を勢いよく流していった。 食べ物の旅は終わった。彼らはさくらに食べられ、さくらの大便になるという幸福を得た。 あとは全ての食べ物と同じく、水中に帰するのみである。 おわり。 |