「ないしょのおもちゃ」
投稿スレ:さくらたんのお口へ〜〜
注意:あくまでフィクションです。舌苔に絶対に真似しないように。

111 名前:炉板通信 ◆mwhG4Chris :03/03/29 00:50 ID:E5vpGNcv
「ないしょのおもちゃ」
小狼が香港へ発ったその日、最後の最後に一番の人への告白を終えて帰ってきたさくらは
家に帰って静かに自分の部屋に入った。
「ふぅ〜、これで安心と。」
さくらは握っていた左手を開ける。中から小さな人形のようなものが飛び出す。
それは、今日香港に帰っていったはずの小狼だった。

さくらは、小狼が香港に行ってしまうのが嫌だった。
ずっと小狼くんの側にいたい。でも小狼君くんは・・・。
気がつくと、小狼をリトルのカードで小さくして自分の家に持ち帰っていたのだ。

「さくら!どういうことだよこれは!」
小狼は怒っている。いや、びっくりしているというべきか。
どうしよう。自分の欲望のために小狼くんをこんなにして、
向こうの家族が不審がるだろうし、大きくしたらばれてしまうし・・・。
どうしよう、どうしよう・・・。

「ガチャ!」
そのとき、急にドアが開いた。

112 名前:炉板通信 ◆mwhG4Chris :03/03/29 01:03 ID:E5vpGNcv
さくらは背筋が仰け反るほど驚き、小狼をつかみ慌てふためく。
どこに、どこに隠そう・・・!
部屋に入ってきたのは桃矢だった。桃矢はさくらの背後に近づいて来る。
「帰ってたのか。帰ってきたならただいまぐらい言えよ。」
桃矢はさくらのすぐ後ろに立ち、さくらに注意した。
さくらは桃矢に背中を向けたまま、「うん、ごめん、次からは気をつけるね」と返す。
しかし、ちょっとおどおどした感じになってしまう。桃矢はその不自然さに気付いた。

「おい、何かやってるのか?」
「ううん、べ、別に何も・・・。」
「あやしいな、コソコソして、何か隠してるんじゃないか?」
さくらはドキドキしながら手を握り締める。
さくらの手の中の小狼は滲み出るさくらの汗でうだっていた。

「おーい、さくら、何やってるんだよぉ〜?」桃矢がさくらの肩の後ろから覗き込んできた。
もうだめだ、このままでは見つかってしまう!どこか、どこか隠し場所は・・・。
ハッと思いつき、さくらは物凄い勢いで左手の中の小狼を口の中に放り込んだ。
「うわぁーーーーーーっ!!」
桃矢には聞こえない、蚊の羽音のような小人の叫び声がさくらの口元に響いた。

(つづく)

121 名前:炉板通信 ◆mwhG4Chris :03/03/31 20:30 ID:Ci14MWmN
小狼にとって、それはほんの一瞬のことだった。
自分の体が巨大なさくらの顔に迫っていったかと思うと、さくらが口を大きく開けて・・・。
そしてこの暗がりの中に放り込まれたのだ。

小狼は立ち上がった。地面がぶにゅぶにゅと柔らかくて立ち上がりづらい。
それに真っ暗で、立っているとフラフラする。
仕方なく小狼はさくらの舌の上に坐りこんだ。ぬるぬるの唾液がベチャッと尻を濡らす。

「(さくらのやつ・・・一体何でこんなことを・・・?)」
小狼は、自分が一番に慕っている少女の自分に対する所業について困惑する。
香港に帰ろうとする俺を小さくして、自分の家に連れて来て・・・。
しかもどうするかと思えば、俺のこと口に放り込んで食べてしまった。
食べて・・・?いや、食べたにしては噛みも飲み込みもしないな。
食べてしまう気はないのか?

そんなことを考えていても、小狼の気の晴れることはない。
ここはさくらの口内。高温高湿の世界。
しょっちゅう地面がうねり、時々奧の方から熱い風が緩く吹き付けてくる。
そして、独特の匂い。大好きなさくらも、人並みに口臭がある。
しかし、嫌な感じはしない。さくらの匂いだと思うと、吸う勢いも強くなってしまう気がした。


122 名前:炉板通信 ◆mwhG4Chris :03/03/31 20:46 ID:Ci14MWmN
ふと、一際周りの動きが強くなってくる気配がした。
「(何だ?何か起こったのか!?)」

「さくら、お前・・・何か口の中に隠しただろ?」
「ん!ん、んんんむんんんんんーん!(え!な、何にも隠してないよ!)」
慌てて否定するさくらだが、これではバレバレである。
「じゃあ口開けて見せてみろよ。」
「んー・・・。」
さくらは困った。このまま口の中をお兄ちゃんに見せたら小狼くんのことがばれてしまう。
しかも、カードのことまで・・・。それは絶対ダメだ。

・・・賭けるしかない。小狼くんを舌の下に隠す。「舌を上げろ」といわれたら終わり。
でも、これ以上隠すならこれしかない。

さくらの口の中では、小狼が不安定な足場で構えている。
そこを、大きな下の動きが押し寄せた。小狼はもんどりうって口内の底に落ち込む。
浅い唾液溜まりにはまりこんだかと思うと、巨大な舌が小狼の体を上から圧迫する。
小狼は、身動きがとれなくなった。

123 名前:炉板通信 ◆mwhG4Chris :03/03/31 20:59 ID:Ci14MWmN
「(小狼くん、ごめんね・・・すぐに出してあげるから、我慢して・・・。)」
さくらは口内の小狼を舌で落ち着かせると、ゆっくりと口を開けた。
そこを、兄桃矢が鋭い目つきで覗き込む。

「ふむふむ・・・。」
桃矢にとって愛しい妹であるさくらの口の中。
さくらがまだ幼かった時分には、お医者さんごっこなどをして何度となく見たものだが
最近はさくらの口の中なんて見た憶えがない。
何となく懷かしさを感じる。
しかし、以前見たときとは様子が全然違う。
きれいに生え揃った永久歯。さくらが成長した証。
ふと、妹の成長を感じ取った。それが嬉しくて、本来の目的を忘れてしまった。
漂い来るさくらの匂い。以前はもっと乳臭かった気がしたが。

「・・・もういいぞ。」
桃矢はさくらの唇から自らの顔を離し、そう言った。
お兄ちゃんは舌の裏までは詮索しなかった。
さくらは心の中で安堵の息を漏らす。同時に舌の力を緩め、小狼に自由を与えた。
小狼にとってはそれどころじゃない。暑さにのぼせ上がり、体中がベトベト。
恋人になったばかりの少年を口から出した少女さくらは、まずこう言った。
「ごめんね、小狼くん。」
小狼は、真っ赤になって何も言えなかった。

(第1話完)



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